『GS美神』『幽遊白書』『鋼の錬金術師』『ファイアーエムブレム』 捨てられないマンガ達
今週のお題はコレクション。
コレクションというか、どうしても捨てられないものがある。
それは青春時代に夢中になったマンガたち。
『GS美神』『幽遊白書』『鋼の錬金術師』『ファイアーエムブレム』何度か引っ越しを経て処分から生き残った私の精鋭たちだ。
どれももう、一生捨てられない気がする。
私にとっては、できれば娘や息子や孫の代にまでにも読んでほしい遺産である。押しつけるつもりはないが、オススメくらいはしたい。
ではせっかくの機会なので、これらのマンガの私の熱狂ポイントを熱く楽しく語りたいと思う。
はてなさん、ありがとう!
『GS美神』の熱狂ポイント
とにかく主人公が魅力的すぎる
正しい題名を『GS(ゴーストスイーパー)美神 極楽大作戦』という。
美神、というのは主人公の苗字。
美人でスタイル抜群で霊感が強く腕っ節も強く頭が切れてガメツくイケイケの女ゴーストスイーパー(霊媒師)その名も美神令子。
ボディコン、なんて今は死語だけれど、美神令子がそれをまとえば今の時代でも全然通用するファッションに思えてしまう。
基本スタイルは、腰を超す赤味を帯びた茶髪と、チラリズム上等の超ミニと、ハイヒール。神通棍という伸縮自在の棒を振り回し、舞うように悪霊や妖怪をシバキ倒す姿は爽快だ。
バイトの横島君を時給250円という今では法に触れる超低賃金でこき使い、コブラを乗り回しブイブイいわすとんでもない高飛車だが、親の愛情を十分に受けられなかったせいか、マザコンの上に年上男性に弱いという一面も持つ憎めない女性でもある。
現実にこんな女がいたらとんでもないが、漫画となると話は別だ。美神令子は「クソ女」と呼ばれていようが「ごうつく女」と罵られていようが、とんでもなく魅力的で気持ちいいキャラクターである。
これほどまでに賢く美しく、己を信じ欲に忠実なキャラクターは私は今まで出会った事が無い。
美神令子には、今まで何度も元気と勇気をもらった。本当に感謝している。
横島忠夫が面白すぎる
美神令子と並んで魅力的なキャラクターがこの横島忠夫である。
骨の髄まで美神の下僕になり下がった煩悩の塊のような17歳の少年横島忠夫は、時折出てくる関西弁が面白い。
「かんにんやぁ!しかたなかったんやぁ!」
取り返しのつかない大失敗をしでかしては、そう叫びながら美神にどつかれている。
それに続いて
「ちちしりふとももー!!」
は青少年の色欲を見事に表した名言中の名言だ。
ただ身体の部位を叫んでいるだけなのに、どうしてこんなに笑えるのだろうか。
とにもかくにも、今の時代、横島忠夫を登場させたマンガを出版しようとしたら、色々面倒なことが起こりそうな程に、横島忠夫とセクハラは切って離せない。そんな際どいキャラクターである。
現実にこれほどまでに色欲に取りつかれた少年がいたら、さぞかし生きにくかろう苦しかろうと同情してしまう。
だが、横島忠夫は架空の人物である。
彼のとてつもない煩悩パワーと強靭な精神力とタフな身体とあけすけな人格は、読者を大いに楽しませてくれるはずだ。
つまり『GS美神』の魅力とは
他にも魅力的なキャラクターは沢山いるが、『GS美神』で美神と横島はとにかく不可欠である。
『GS美神』が世に出たのは、 1991年から。平成3年だ。
この頃のマンガは、女性はセクシーで賢く、男は優しく強くどこまでもバカだったイメージが私にはある。
セクシャルな表現も結構自由で、ユーモアも効いていた気がする。反面、読む人によっては不快に思うところもあっただろう。
美神も横島も、今の繊細なヒーロー像やヒロイン像とは毛色が違う。やはり時代の流れを感じずにはいられない。
とはいえ、私は娘には美神令子のように図太く生きてほしいし、息子には横島忠夫のようにタフに育ってほしいと思う。
我が子二人が美神や横島のようにピンチをギャグで吹き飛ばせるくらい強くなってくれたら、私は安心して死ねる。
マンガのキャラクターを我が子の将来像の例に出すのも変な話だが、人間の願望や希望を体現したのがマンガやアニメなら、私の望みもあながち間違いじゃないな、とも思うのだ。
『幽遊白書』の熱狂ポイント
少年少女の夢が詰まった名作
当時、私の周りの男子は殆どが「れいがーん!」と叫んで指で輪ゴム鉄砲をはじいていた。
女子は蔵馬派か飛影派かで熱く意見を交わしていた。
大人になってから読むと、「うん、昔の少年漫画だなぁ!」と笑ってしまうし、繰り返し読もうという気はあまり起こらないのだが、あの頃の楽しかった思い出があるので捨てられない。
不良のヒーロー
可愛く賢く強気なヒロイン
三枚目のお人よし
奇麗どころ
カッコいい陰キャラ
学校をさぼり、長期休暇には闘いに赴き死闘を繰り広げ、ゲンコツと特殊能力で地球を救う。
思春期の学生にはたまらん設定だろう。
アラフォーのオバハンにとってはもう「かわいいマンガやなぁ!」と頬を緩めてしまう代物へと変わってしまったのだが、私の子供達はどうだろう。
かつての私や私の友人達のように、『幽遊白書』に胸を躍らせるだろうか。
息子は「れいがーん」と輪ゴムを飛ばすだろうか。
親子で幽助や桑原や、飛影や蔵馬を話題に談笑できるだろうか。そんな事を思ってしまうので、どうしても捨てられない。
そういえば、声優の緒方めぐみさんを知ったのも『幽遊白書』のアニメから。この人の声は今でも聴き惚れてしまう。
『鋼の錬金術師』の熱狂ポイント
『鋼の錬金術師』は『GS美神』や『幽遊白書』よりは若い作品。
といっても2001年からなので、もう20年以上前になる。
正直、今書いていて驚いている。
え、そんなに前やったっけ?うそやん。
歳をとると年月が過ぎるのが早いというのは本当だ。
『鋼の錬金術師』が出た当時、私は本格的に将来の職を決める瀬戸際に居た。
リハビリ系に進むか、義肢装具の道に進むか、東洋医学を学ぶか。大体この3択だったが、もし、もう少し早く『鋼の錬金術師』を手にとっていたら、私は義肢装具士になっていたかもしれない。
平和な時代に生まれ文芸作品と娯楽が爆発するかのごとく市場に出回り、もう大体マンガのネタは出尽くしたんじゃないだろうか。なんて大した量のマンガも読んでいないくせに生意気な事を考えていた最中、『鋼の錬金術師』は衝撃だった。
何この魔法みたいな錬金術!
オートメイル!こんなんあったらいいのに。
”等価交換”なるほど!なんて便利な言葉!
初めて触れる発想だらけで、感服したのを覚えている。
同時に、作者にも非常に興味がわいた。ペンネームと絵柄からてっきり男性だと思っていたので女性だと知った時は驚いた。
荒川弘さん。
そういえば、『百小貴族』は今でも買っていて、夫と楽しく読んでいる。
もし『鋼の錬金術師』を中学生や小学生で読んでいたら、私の理系科目の点数はもう少し良かったかもしれない。
娘や息子も、もう少し成長して『鋼の錬金術師』を読んだら理系科目を楽しく学べるかもしれない。
そう思うと捨てられない。
『ファイアーエムブレム』の熱狂ポイント
元は漫画ではなく、任天堂のシミレーションゲームだ。今も『ファイアーエムブレム』はシリーズとして任天堂を支えている。
私が夢中になったのは、箱田真紀さんの『ファイアーエムブレム 暗黒龍と光の剣』。美しく優しいタッチの絵とゲームのキャラクター一人ひとりの性格を非常に魅力的に描いたこの作品のお陰で、ゲームに興味が無かった私もコントローラーを手に取るようになった。
当時はFF(ファイナルファンタジー)が大流行していたが、私はFE(ファイアーエムブレム)に夢中になったのである。
子育てに追われていなければ、私は今でも新作をプレイしているはずだ。
箱田真紀さんの絵には、歳をとるほどに魅力を感じる。軽く和やらかだけれど、しっかりとした存在感も感じる。まるで鳥の羽根のような絵だ。心が真綿で包まれたような気持ちになる。
加えて私は箱田さんの描くマルス像が大好きだ。柔和で繊細で品があり芯が強く誠実。
読む度に素敵だと思う。
ストーリー半ばにして終了してしまったのが本当に惜しい。出来る事なら『紋章の謎』まで手掛けてほしかった。
『ファイアーエムブレム 暗黒龍と光の剣』の情報
タイトル:ファイアーエムブレム 暗黒龍と光の剣
作者:箱田真紀
原作:任天堂
出版社:エニックス
1993年からGファンタジーにて掲載されていた(創刊時は『月刊ガンガンファンタジー』)