ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間9人+1人の魅力を考察してみた!
Amazon primeで『ロードオブザリング 力の指輪』の配信が開始された。
監督は映画版とは異なるが、待ちに待った期待作だ。
台詞なのか演出の影響なのか、映画版に比べてエルフの存在感が何となく”軽くなった”気がした。一方で、ドワーフの豪快さとハーフットの親しみやすさには非常に好感を覚えた。
一言で言うと、
うん、すき!
である。
毎週金曜の配信が楽しみだ。
さて、ここではドラマ版『ロードオブザリング』ではなく、20年前に大きな話題を呼んだ映画版『ロードオブザリング』について語らせていただきたい。
今回も熱く。
そして心のおもむくままに。
やっぱりネタバレ注意で。
豆知識はほんの少しくらいしか持っていないので、このブログも時間つぶしの域を超えられないのが残念だが、お付き合いいただけたら有難い。
『ロードオブザリング』を勧める理由
『ロードオブザリング 力の指輪』配信に伴って、Amazon primeでは『ホビット三部作』に加えて『ロードオブザリング 三部作』が無料となった。ロードオブザリングファンにとっては嬉しい事この上ない。
『ロードオブザリング』が「古い映画」である事を理由に視聴されてない方もおられるようだが、私は言いたい。
新しかろうが古かろうが、美形とファンタジー好きには『ロードオブザリング』は傑作だ。
はよ見ろ。
ちなみに、私はロードオブザリングが映画化された頃にトールキン氏の『指輪物語』にも挑戦したが、その文体の硬さに眠くなり挫折してしまった。
情けない事にその程度のファンである。
けれど今は有難いことにインターネットを検索すれば映画では拾いきれない多くの情報を入手できる。
トールキン読者や熱狂的なファン達が、惜しげもなく情報を提供してくれているのだ。
インターネット万歳。
トールキン読者よ、ありがとう。
『ロードオブザリング』の凄いところは、その世界の奥深さである。知れば知るほどに、本当にこの世界が存在していたかのように錯覚できる作り込みが、もはや凄いを通り越して凄まじいとさえ言える。
その代表となるのが、言語だ。
エルフ語にドワーフ語。モルドール語。人間語。
『ロードオブザリング』そして『ホビット』では数多くの言語が話される。
これら全てかどうか私は知らないが、エルフ語に関しては文法が成り立っており、一つの言語として使用できるまで完成されているという。
作者の脳みそが私と同じ人類のものだとは信じられない。
ちなみに、作者であるトールキン氏は、この映画の原作である『指輪物語』を自分が書いたのではなく、フロドが書いてサムが完成させたあの赤い本(どの本かは映画を見たらまるわかり)を手に入れたのだ、という体で本を出版したらしい。――という話を、私は最近インターネットから仕入れた。
真偽のほどは分らないが、なんとも心躍る、粋な設定ではないか。
舞台となる時代はアトランティス崩壊後、とのこと。異世界ではないのがミソである。
難点として、『指輪物語』は世界観が深いだけに名前を覚えるのが大変だ。
聞き覚えのない名前や単語が当たり前に登場し、ネットで検索すると更に未知の言葉が登場して深みにはまる。
そして、一つのものに対し呼び名が複数ある挙句、日本の歴史の武将並みによく似た名前が読者や視聴者を困惑させる。
以下が一例だ。
モルドール(冥王サウロンの王国)
ゴンドール(人間の王国)
ノルドール(エルフの中の一種族)
エオメル(ローハンの騎馬隊長)
エオウィン(エオメルの妹)
エオサイン(ローハンの少年)
ボロミア(ミナス・ティリスの大将)
ファラミア(ボロミアの弟)
セオデン(ローハンの王様)
セオドレド(セオデンの息子)
身内で似た名前をつけるのはまだ許せる。しかし、だ。敵対している国とそっくりな国名をなんでつけるかなまぎらわしい!
と、最初に映画を見た時はイライラした事を覚えている。
今まさに、イライラしている人もいるだろう。だが、この難所を過ぎればきっとトールキンの世界の素晴らしさに酔えるはずだ。
諦めないでほしい。
キャラクター
『ロードオブザリング』はキャラクターも一人ひとりが非常に魅力的である。
特に旅の仲間9名は見事にカラーが異なるので映画を何度見ても新たな発見があるのだ。
以下に、簡単なキャラクターの紹介と共に私の至極個人的な感想と考察を書かせていただいた。
感想と考察部分は、あくまで個人の戯言、という事で・・・ファンの方には、どうか怒らず読んでいただけると幸いだ。
また、本当なら手描きのイラスト付きで紹介したいところなのだが、アフィリエイトを使用しているこのブログで俳優の似顔絵の掲載はアウトなので自粛する。
代わりに別の場で投稿するので、もし興味がある方はPixiveへのリンクをクリックして頂けたら幸いだ。
www.pixiv.net
時間がかかるので似顔絵はぼちぼち増やしていくつもりだ。
胸を張れるほど上手くないにせよ、気持ちは籠っているので下手でもご容赦願いたい。
フロド
本名はフロド・バギンズ
『ホビット』の主役ビルボ・バギンズの養子。
養子になったがために指輪を受け継ぎ、指輪を葬る旅に出ることとなる。
個人的感想と考察
とにかく運命に翻弄される不運な子、というイメージが先に立つが、彼は純朴で精神力が強く、指輪の誘惑に負けない心の強さを持っている希少な人物である。素直で良い子。
本人は運悪く指輪の保持者になってしまったと嘆いているが、全ては起こるべくして起こった、とガンダルフが言っていたようないなかったような・・・。
誰にもできない大業をやり遂げたのに、作中では指輪の魔力に打ち勝つため、常にキャパオーバー気味だったフロドは「サムがおらんと何も出来んやんかこいつ!」と、見ている者を苛立たせるほど頼りない。
私には、指輪を背負った事よりもそっちのほうが気の毒に思える。
指輪の魔力に圧されていない時の純真純朴な瞳と、指輪に負けかけている時の病みに病みまくったホラーな表情のギャップがえげつない。
サム
本名はサムワイズ・ギャムジー
フロドの家の庭師。
最初から最後までフロドを守り支え続ける女房役。
個人的感想と考察
サムがいなければ『ロードオブザリング』は二作目で終了していたに違いない。
庭いじりが得意。料理が得意。意外と強い。と、多才な上に人格者でもある。
頭の中はとにかく、フロドフロドフロドフロドバギンズ。寝ても覚めてもフロド。たまにメシ。再びフロド。拒絶されてもフロド。
お前にとってフロドは一体何なんだ!?
という疑問すら抱かせる忠義ぶり。
しかも結局最後はフロドを追ってアマンに行くという後日談もあり。
「指輪は背負えねぇけどフロド様なら背負えます!」
は多分、作中一の名言。
ピピン
本名はペリグリン・トゥック。
フロドの親戚で、旅のメンバーでは最も若い。
悪戯好き。
メリーとセット扱い。
個人的感想と考察
若い故か性格か、作中では抑えられない好奇心に負けて、何度か旅のメンバーを窮地に陥らせてはガンダルフにど叱られている。
口も行動も、迂闊さは旅の仲間では一番。加えて状況把握力まで弱く危機感に乏しい。
それを相方のメリーにも窘められる。
本人も一応反省はするものの、直らない筋金入り。
とにかくガンダルフに叱られてばかりの彼だが、三作目でガンダルフと二人でミナスティリスで戦った様子からは、決して嫌われているわけではない事が分かる。多分、相性が悪いだけだ。
作中では、メリーと共にボロミアから剣の指導を受けたり、階段を飛び降りる時もボロミアに二人一緒に抱えてもらったりなど、ボロミアとも仲が良かった様子が伺える。
ボロミアが目の前で殺された時には、メリーと一緒に玉砕覚悟でオークに向かっていった。
おめでたいトラブルメーカーの割にそこが欠点に思えないのは、やはり彼も仲間思いであるからかもしれない。
メリー
本名はメリアドク・ブランディバック。
ピピンの兄貴的存在で、いつも二人で悪さをしているが、衝動的なピピンと比べてメリーは冷静で頭脳派である。
フロドとサムを助け、裂け谷まで共にした後も、仲間として指輪を葬る旅の一員になる。
個人的感想と考察
ピピンとは二人で一つの仲良しコンビ。
三作目ではピピンがガンダルフに連れられミナスティリスに行ったため、コンビが解消してしまい寂しげなメリーが印象的だった。
その後、彼はピピンやフロド、サムに追い付こうと小さい身体で一生懸命にローハンの軍隊にくっついていく。
セオデン王にローハンに帰るよう言われた後も、男装したエオウィンと共にこっそりミナスティリスまでついてゆき、闘いを共にする。メリーが一緒でエオウィンはさぞ心強かっただろう。
小さいけれどその辺の人間の男より頼もしいのがメリーである。
後日談として、老後はエオメルの最後を看とるためピピンと共にローハンへ赴き、残り短い余生をゴンドール(アラゴルンが統治する王国)で過ごしたらしい。
メリーもピピンも、墓はゴンドールのミナスティリスにある高貴な者が葬られる場所(ラス・ディネン)に建てられた。
結局メリーは死んでもピピンと一緒、という訳だ。
レゴラス
闇の森のエルフ王スランドゥイルの息子。つまり王子。
アラゴルンとは旧知で信頼し合う仲。
若く見えるが3000歳近い超御長寿。
弓の名手で、小刀や剣も達人級である。
弓でフロドを守ると誓い、旅の仲間になる。
個人的感想と考察
きっちり結われた金髪にすらりとした長身。
時折見せるキュートな表情には思わず「ありがとうございます!」と頭を下げたくなる破壊力がある。
しかも、美しいのにちゃんと男らしい。
ミーハー陣の視線を一挙に集めただろう彼は、私の視線も釘づけにした。(そうとも私もミーハーである!)
だが、レゴラスの真の魅力は戦い方と存在感にあると私は主張したい。
その戦い方や身のこなしは、重力や質量を完全に無視したもので、「そっか、エルフは体重がないんだね!」という誤解すら与えかねない。
けれど体重がなければ大吹雪の中で飛ばされず歩くのは無理であるし、『ホビット』では攻撃を受けて背中から倒れた際、衝撃で足場が崩れ落ちている。
ボルグの脳天にナイフを突き立てた次の瞬間には、両足にグッと体重をかけて足場ごと蹴落としているようにも見えた。
だから体重はちゃんとあるはずだ。しかも、そこそこある。
映画を見ながら色々考察してみたが、レゴラスの身のこなしを人間の常識で分析すると常に?マークがついて回るので、「エルフはそういうもん」という考えの元、単純に楽しむのが一番だという結論に私は達した。
存在感に人臭さはなく、どちらかというと植物に近いナチュラルさと得体の知れなさがある。
台詞が少ないからか、全体に流して見ているだけではレゴラスが何を考えているか分らずクールな印象を受けがちだ。
けれど、注目してよく見ると、彼の動作や表情から、心境の変化やその時々の気持ちが見て取れるのが面白い。
快く思っていなかったはずのギムリに対し、ロスロリアンを出立する時には乗船に手を貸すくらいに好感を持ち、ローハンではギムリを揶揄したエオメルに怒って弓を向けるまでになった。
更によく見ると、そのすぐ後に、ホビット二人の死を嘆くギムリの肩に手を乗せ慰めている。
アラゴルンが落ちた崖から川を見下ろす表情は悲壮で、三作目で海賊船から飛び降りたレゴラスは意外なほど好戦的でヤンチャな顔をしていた。
一見クールに見えて実は直情的なキャラクターなんじゃないか、と私は思っている。要は、取り繕わない正直者なのだろう。
そう考えると、角笛城の合戦前、絶望的状況に珍しく取り乱していた事も、らしくない、とはいえない。
また、ボロミアが死にゆく時に不思議そうな顔で眺めていたのが私はずっと気になっていたが、それはエルフが不死故に、死がこれまで身近なものではなかったからだという解説を読んで納得した。
ギムリ
『ホビット』に登場する13人のドワーフのうちの一人グローインの息子。
斧の名人で豪傑。口も行動も豪快で情に厚い。そして頑丈。
エルフをけん制しながらも、斧でフロドを守ると誓い旅の仲間になる。
個人的感想と考察
がさつで口が悪く喧嘩早い性格のせいで、真面目なアラゴルンからは手厳しい扱いを受ける事もあるが、反面、ギムリは細やかな気遣いもできるしコミックリリーフの役割も担っている。
そんなギムリの存在は気が休まらない厳しい旅路では救いになっていたはずだ。
謎めいた言葉ばかり並べ立てるひげ爺。クソ真面目でめったに笑わないリーダー。飄々としたエルフ。指輪を欲する気持ちと正義との間でジレンマに陥っている人間。指輪の魔力でフラフラのホビット一名に、それを必死のパッチで支えるホビット一名に、あとはおまけのホビットが二名。・・・・とてもじゃないが雑談を交えた楽しい旅路は期待できそうにない。
ギムリがいなければ旅の仲間ご一行様は”通夜行列”みたいになっていたんじゃないかと私は思う。
ひげもじゃでずんぐりむっくりのオッサンなのに、何故か可愛らしく見えるのは、シリアスを壊せる愉快なキャラクター性故にほかならない。
旅の仲間で誰になりたい?と訊かれたら、私は「ギムリ」と答える。
最初はけん制し合っていたレゴラスと友情を育んでいく様子も、とても微笑ましい。
馬に乗る時はいつも一緒。闘いでは倒した敵の数を競い合い、祝杯では酒の飲み比べ。三作目の絶体絶命の闘いでは「友と討ち死にできるなら悪くない」とお互い笑い合えるくらい固い絆で結ばれた。
ただ、一つ残念なのは、レゴラスとギムリのやりとりの多くは映画版ではカットされており、エクステンデッド版でしか見れない点だ。
映画全体で考えると仕方のない事なのだろうが、ギムリとレゴラスファンにとっては悔しい限りである。
後日談だが、ギムリは年老いた後にレゴラスと連れ立ってアマンに旅だった。
ガラドリエル恋しさが理由だそうだが、レゴラスと一緒なら、という気持ちもあったに違いない。うん、きっとそうに違いない。
#ロードオブザリング ギムリ - つきのやのイラスト - pixiv
ボロミア
人間の都ミナスティリスの大将。執政官である父親に「指輪を持ち帰れ」と命をうけつつエルロンドの会議に出席。
旅の仲間の一人になる。
個人的感想と考察
指輪の誘惑に負けてフロドを襲ってしまい、結果、オークにやられて死んでしまう。一見、残念なキャラのように思えるが、人間の弱さと強さと正義を体現しているような人となりが何とも言えず憎めないというか切ない。
国と民を守りたいという強い思いが指輪を欲する根底にあるのにも胸を打たれる。
そして、何より彼はイイ奴である。
もし仲間で怪我人が出たら、一番に彼が負んぶしてくれることだろう。どんなに重くても彼は絶対に最後まで負ぶり続けると私は確信している。
溺愛してくる父親と、父親に愛されない弟との間で板挟みになっている気の毒なお兄ちゃんでもある。
アラゴルン
ドゥネダインという長寿の血筋。映画では87歳の設定。
かつてサウロンの指から指輪を切り取った、イシルドゥアという将の子孫で、本来ならば人間の王となるべき人物だが放浪人となっている。
幼少期からエルフと生活していたため、エルフ語が堪能である。
個人的感想と考察
とにかく設定がてんこ盛りすぎて本人も抱え切れない様子が度々伺える。
彼の背中には旅の仲間一、哀愁が漂っており、おそらく若い頃には散々葛藤したのだろうと安易に想像できる。
何周もした挙句、結局色々諦めた感じだが、誠実で真面目で仲間思いで血は熱い。
泥だらけでも服がボロボロでも隠しきれない気品が「お前、絶対、だだものちゃうやろ・・・!!」と相手に思わせるはずなのだが・・・ボロミアは気付かなかった。
色気が抜群で老若男女種族問わずモテまくるのが面白い。
剣の達人で、指輪を葬る旅に出る際に恋人から「あなたの剣の腕なら生きて帰ってこれる」と言われるほど。
余談だが、角笛城での闘いでアラゴルンが後方のエルフ弓隊に「リベー!ハー!」(と、私は聞こえる)と指示を出すシーンがとても素敵だった。
「ダルソー!(待て!)」も格好いい。ダルソーくらいなら、私も使えるかも。
――あ、息子が二個目のアイスを食べようと冷凍庫を漁りだした。
ダルソー!ダルソー!!ダルソー!!!
ガンダルフ
灰色の魔法使いの異名を持つ。
指輪を葬る旅に道案内役として同行する。
モリアの洞窟でバルログと対峙して地の底に落ちるが、白のガンダルフとなって復活する。
旅の仲間にとっては導き役と言える存在。
個人的感想と考察
原作と設定を知らずに映画だけで彼を見ると、とにかくツッコミどころ満載の謎爺でしかないガンダルフ。
魔法使いのはずがあまり魔法を使わず杖でバカスコ殴るばかりだし、ピンチの時にはいつも大鷲に助けらているし、ガラドリエルとは随分仲がいいみたいだし、最前線に居る割に立ち位置は常に一歩引いてるし、何故か最後にはアマン行きの船に乗ってるし、とりあえず中つ国の平和を守ってサウロンを滅ぼしたい事はよく分かったけどなんかもうハッキリしてるのそれだけやん?
私としては、サルマンがしたみたいにオーク軍のど真ん中に雷一発くらいぶち込んでやれと思うのだが、彼がした事と言えば杖を光らせ敵を追い払う程度だ。
エルフの戦闘シーンみたいに割り切って楽しむのがいいのだろうか・・・と諦めていたが、ある日ネットで色々と情報を得られてこれらが全て腑に落ちた。
ガンダルフは元々は神々の住む国アマンの住人で、サウロンの反対勢力を一つに束ねる役を負って中つ国に派遣されてきた5人のうちの一人(その中にはサルマンもいる)。
魔法使いを名乗る割に魔法らしい魔法を使えないのは、中つ国で使う魔法に制約があるからだとか。
なるほどね!自分が先陣切って戦うわけじゃなく、あくまでまとめ役として派遣されたのね!だからサウロンが滅びてお役御免になったからお家(アマン)に帰るワケね!そっか~!
スッキリした。
ちなみに大鷲は、昔ガンダルフが大鷲の王の傷を癒した事をきっかけに親交が深まり、窮地の時は助けてもらえるようになったのだとか。
鷲には鷲で、霧降山脈周辺の見回りなど、色々と任務があるようだ。ちなみにこの大鷲も、先祖はアマンからやってきたらしい。
調べてみると色々と面白い裏設定がゴロゴロ出てくる。
最後に、非常にアホらしい個人的感想だが、ガンダルフが学校の先生にいたらよかったな、と思う。
ハルディア
旅の仲間ではないが、大好きなので書いておきたい。
ハルディアはロスロリアンの境を守る警備隊員。
初めは旅の仲間を警戒し拒んでいたが、アラゴルンの説得に応じケレボルンとガラドリエルの住む館まで案内する。
角笛城の闘いではエルロンドの命を受けてロスロリアンのエルフを率いて加勢するも、闘いの途中、背後から切りつけられ命を落としてしまう。
個人的感想と考察
名前の響きが美しいからか?
レゴラスやガラドリエル、アルウェンに比べて美形過ぎず親しみやすいからか?
理由がはっきりしないまま、私は『ロードオブザリング』が映画になった20年前からずっとハルディアが好きである。
ハルディアの出番は少ない。エクステンデッド版では多少出演時間と台詞が増えたものの、それでもやはりチョイ役止まりだ。
でも何故か、私にとって彼はとても大切なキャラクターである。
インターネットで得たロードオブザリング情報に、エルフは基本的に善良だと書いてあった。
言われてみれば確かにそうだ、と納得できる。
ハルディアも善良である事に間違いない。でも、彼はそれだけじゃないのだ。
角笛城の闘いで駆けつけたハルディア率いるエルフ軍に感激したアラゴルンが、ハルディアにガバチョと抱きついた時、ハルディアは戸惑いながらも苦笑いでハグを受け入れた。
私はそんなハルディアがもう、好きで好きで好きでたまらない。
あの硬派なアラゴルンが抱きつくとか・・・!慣れ親しんでいるはずのレゴラス相手でさえ肩に手を乗せる程度なのに?
それはやはり、ハルディアに善良以上の”何か”があるからなのだと私は主張したい。
いきなり抱きついても許してくれそうな気安さというか大らかさと言うか優しさと言うか――そうだ、ハルディアは優しいのだ!
ハルディアが死ぬシーンは何度見ても悲しくてため息が出る。
思いだしてもため息が出る。はぁ~・・・
画家 アラン・リーのイラスト
アラン・リーは、トールキンの本の挿絵を描いている画家の一人である。
他にもジョン·ハウという画家が挿絵と映画製作に携わっている。
『ロードオブザリング』にも、アラン・リー氏のイラストがエンドロールで流された。
エンドロールで出てきたデザイン画と人物画の美しさに感激した私は涙した。
いきなりエンドロールで泣きだした娘に、隣に座っていた父は「なんで?」という顔をしていたが、そんなことはどうでもいい。
とにかく、その日からアラン・リー氏は私の憧れである。
どんな人なんだろうと検索したが、本人の画像は出てこなかった。
調べていると、角笛城の合戦のシーンで、友情出演していることが分かった。レゴラスと言い争っているシーン。場所はアラゴルンの後方。
どこ!どのジェントルマン!?
血眼で探したが、まだはっきり特定できていない。
景色と建造物
『ロードオブザリング』は世界観がとにかく素晴らしい。
ニュージーランドで撮影されたらしいが、自然の瑞々しさと迫力、そして建造物の美しさは一つ大きなテーマパークを作ってもいいくらいに素敵だ。
建造物については多くがCGだが、ホビット村のビルボの家等はニュージーランドで実際に作られたらしい。
ロケ地をめぐるツアーなどもあったそうだ。
まだやってるのかな・・・?
私としては裂け谷のエルロンドの館を是非見てみたい。
枯れ葉が床に散らかりまくっていても絵になるあの西洋版桃源郷みたいな場所を散策できたらどんなに楽しいだろうとワクワクする。しかし、裂け谷は殆どがミニチュアであるので存在しない。残念!
エクステンデット版
『ロードオブザリング』と『ホビット』には、劇場版(ここでは映画版とも書いている)とエクステンデット版とコレクターズ版がある。
私が知っているのは劇場版とエクステンデット版の二つのみ。
コレクターズ版は、劇場公開版に加えて特典ディスクが収納されたもの。
エクステンデット版は、劇場公開前にカットしたシーンを追加した映画となっている。
劇場公開版は、それぞれの作品をギュッと楽しむのにはうってつけだ。
もしかしたら初めての人には、エクステンデッド版は少し間延びして感じるかもしれない。再編集できちんと作品として磨かれているものの、一本およそ3時間半におよぶ大作になるからだ。
まずは劇場版で楽しんで、『ロードオブザリング』の世界に魅せられもっと知りたくなったらエクステンデット版でじっくり堪能するのもいいだろう。